歯科衛生士のキャリアアップの秘訣とは?

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歯科衛生士の価値や評価は年々上がっています。「将来、必要とされるのは歯科医師ではなく、歯科衛生士だ」という人もいるほどです。なぜでしょうか?

歯科衛生士がいなければ成り立たない?

「私どもの歯科医院では、歯科衛生士を十数人雇用しています。すべて女性です。20代、30代、40代と幅広い年代のスタッフが働いています。若者からお年寄りまで患者さんが気楽に話すことができる体制にしています。彼女たちがいなければ医院は成り立たないですね。とても貴重な戦力ですよ。」

このように語るのは、ある歯科医院の院長です。この歯科医院は公衆衛生専門学校の臨床実習施設にもなっており、実習生を受け入れています。歯科衛生士の卵を温かく迎え、優秀な人材は卵を温めるように大切に育て、卒業後は就職してもらえるような環境を整えているのです。

他の実習生の見学や相談にも乗り、専門学校での講演も引き受けている院長は、自身の収入を二の次にしても、歯科衛生士の給料を厚遇してもいるといいます。産休制度を導入し、出産・子育ての後、医院に戻ってきてもらえるように配慮しているのです。

歯科衛生士をめぐる争奪戦

「歯科衛生士は、技量が歯科医院の評価に直結します。従来の歯科医療に加え、近年は予防医療が重視されており、予防歯科のエキスパートが彼女たちです。1日に約50人の患者さんを治療しますが、歯科衛生士はそのうち半数を診ています。正直、うちの医院は彼女たちで持っているようなものです。現在4人が産休中ですが、国にはもっと産休制度の充実に力を入れてほしいですね」と院長は話していました。

歯科衛生士になるためには、歯科衛生士国家試験に合格する必要があります。試験は年に1回実施され、平成27年は7,333人が受験し、合格率は96%。圧倒的に女性が多いため、結婚、出産、子育てなどの理由で辞めてしまうこともあり、恒常的に供給が不足しています。

同時に高齢化社会が進み、口腔ケアの需要が高まっていることもあり、歯科医療の現場では歯科衛生士の争奪戦が起こっています。国は対策として、2010年から専門学校を2年制から3年制へと移行し、歯科衛生士の底上げを図っています。

口元の美容や健康保つ役割を担う

かつて歯科衛生士は歯科医師の治療の補助業務を担っているとみられていましたが、いまでは活躍の場がどんどん広がっています。歯科医療界では、ここ数年、歯周病と健康との関係が注目され、多数の書物が出版されているように口腔内の衛生は予防医療の主役となりつつあり、歯科衛生士の評価もぐんと上がっているのです。

同時に、インプラントや審美歯科専門の歯科医院が次々誕生するなど、口元の美容や健康を保つ役割を歯科衛生士が担うようにもなっています。

最新の歯科医療の知識や技術を学び続ける意欲を持ち、自身の質を高めていけば、より条件の良い歯科医院にスカウトされるなどキャリアアップのチャンスも増えています。

プラス「認定歯科衛生士」の資格

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歯科衛生士の資格に加えて、「認定歯科衛生士」など医療系の他の資格も取得していくと、さらなるキャリアアップが実現するでしょう。

認定歯科衛生士とは、さまざまな学会や団体によって行われている認定制度です。予防歯科、審美歯科、矯正歯科など歯科医療の専門化が進む中、それぞれの分野で高い技術や知識を評価するシステムです。

例えば、3年以上の経験があれば日本衛生士会は「歯周病に特化した分野の資格」を認定しています。日本審美学会は「ホワイトニングコーディネーター」、日本口腔インプラント学会は「インプラント専門歯科衛生士」、日本成人矯正歯科学会は「認定矯正歯科衛生士2級、1級」の資格を認定します。こうした資格をプラスして取得すれば、給与や待遇面がさらに良くなる場合があるほか、転職などにも有利に働くケースもあります。

歯科医療から他分野へ転身

歯科医療から福祉などの他の分野への転身する歯科衛生士もいます。保健所や高齢者施設での健康指導の専門スタッフに進み活躍している人もいます。歯科衛生士の実務経験が5年以上あると、ケアマネージャーの受験資格を得ることができます。高齢化社会が進む中で多くの場で強く求められている介護支援専門員という医療系の資格です。

歯科衛生士の資格にプラスして他の医療系の資格を取得することで自らの付加価値を高め、キャリアアップにつなげていくことができるのです。

もちろん、歯科衛生士は一般の総合病院や大学病院の口腔外科からの需要がさらに高まってもいます。歯科衛生士を養成する専門学校の講師という指導者に転身した人もいるほどです。

脇役から主役へ

総務省統計局の人口推計によると、65歳以上の高齢者は2016年9月の調査で3,461万人。総人口に占める割合は27.3%とともに過去最高でした。日本の高齢者の割合は世界の主要国の中で最高です。2050年には人口の2.5人に1人が高齢者になるとも予想され、義歯を必要とする人が増え、口腔ケアが歯科医療の中で占める割合はさらに高まっていくことは確実です。

歯科医療が治療から予防へと重心を移し、歯科衛生士は脇役から主役へと変わりつつあります。歯科衛生士の資格を活かして、さらなるキャリアアップに挑戦し、皆さんもヒロインやヒーローになってみてはいかがでしょう。


この記事の筆者:デントプレス

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