歯科衛生士不在のクリニックに(歯科衛生士として)転職するメリットとは?

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歯科衛生士のいない歯科医院はどのくらいあるのでしょうか。

正確な数字は分かりませんが、厚生労働省の医療施設調査・病院報告の概況によりますと、2014年の病院施設の総数は17万7,546施設で、そのうち歯科診療所は6万8,592施設です。他方、歯科衛生士の数は11万6,299人。

歯科衛生士を十数人も雇用している病院があることなどを考慮すると、歯科衛生士がいない歯科医院はかなりの数に上ると思われます。中でも、個人経営の歯科医院は「歯科衛生士がなかなか見つからない」と悲鳴を上げているのが現状です。歯科衛生士不足が深刻化している中で、歯科衛生士がいない歯科医院への就職、転職は発想を変えてみると、チャンスになるかもしれません。

小規模歯科医院か大規模医院か?

「ここ数十年、歯科医院間の競争は激しくなってきました。全体の医業収入は徐々に減少。歯科医院は生き残りのために二分化しています」とは、ある歯科医院長の話です。

この院長によりますと、二分化した一つのグループは、いわゆる“三ちゃん経営”をしている歯科医院です。経費を極力抑え、利益率を上げることを経営の柱としている個人経営の医院です。たとえば、歯科助手は妻、受付は親戚といった具合にスタッフを少なくし、売り上げが外に出ないようにしている。売り上げは少ないが、経営力があり、技術を持った院長が運営する優良な歯科医院も少なくないといいます。

一方、第二グループは、大規模経営に乗り出した歯科医院です。ある歯科医院は、患者を確保し売り上げを拡大するためにスタッフを増やす。勤務医も雇い、設備投資をする。待合室はまるでホテルのフロントのように明るく、治療室にはピカピカに輝く医療ユニットがたくさん並んでいます。

一見、後者の方が世間でいう勝ち組に見えるかもしれません。
果たしてそうでしょうか?実際には、いつの間にか借金はかさみ、スタッフの給与や保険、借金返済のため身を粉にして働く歯科医院経営者も多いそうです。

皆さんはどちらの歯科医院に転職したいと考えますか?
おそらく、パリッとした制服を身にまとい働く歯科衛生士がいるであろう後者の歯科医院を選ぶ人が多いのではないでしょうか。それも一つの選択だと思いますが、前者に転職する選択もあるのではないでしょうか。

「鶏口となるも牛後となるなかれ」?

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歯科医院間の競争が激しくなり、同時に歯科医療が虫歯などの治療重視から口腔管理を中心とした予防医療に軸足を置くように変化する中で、多くの歯科医院が優秀な歯科衛生士を求めています。それは、個人経営の医院も大規模な医院でも同じです。

個人経営の歯科医院では、「募集してもなかなか歯科衛生士が見つからない」と悩んでいる現状があるようです。医師は通常の歯科医療に加え、歯石取り、ブラッシング指導、ホワイトニングなど歯科衛生士の役割も果たしています。内科、外科、小児科、美容整形などをすべて兼ねているようなものですから、経営が安定している個人経営の医師の腕はとても優れている可能性があります。他方、大規模な医院の中には、歯科衛生士の離職率が高く、補充のために年中スタッフを募っているところもあります。

さて、どちらに転職するか。新卒者が就職に際し、大企業を選ぶか、中小企業を選ぶかの選択に似ています。

組織か、やりがいか?
量か、質か?
安定か、チャレンジか?
「鶏口となるも牛後となるなかれ」なのか?

選択の決定は皆さんの考え方にかかっています。

予防を担うメインとして働く

歯科衛生士のいない個人経営の歯科医院に転職するメリットについて、具体的に考えてみます。

門戸は広く開かれているでしょう。おそらく、採用までの競争率は低いでしょうから、応募は歓迎され、交渉次第では雇用条件も良く、厚遇されるかもしれません。もちろん、応募に際しては歯科医院の情報をしっかり調べる必要があります。スタッフは少ないのですから、院長や歯科助手との相性がなによりも大切なポイントになるでしょう。面接のみではなく、何回かお会いして相性の良し悪しを見極めてください。

採用が実現したら、皆さんが中心になって予防の分野を担うことになります。大規模な歯科医院で組織の一員として働くのではなく、ご自身がメインになって歯科医院の予防という一翼を担っていくことになります。やりがいを持って仕事に打ち込める環境を手に入れることができるかもしれません。

正社員以外のアルバイト、パートという働き方も選択の一つ。歯科衛生士は国家資格ですから、正社員もパートも歯科医療に対する一定の知識や技術のレベルは保証されています。仕事内容にほとんど差はなく、待遇もほぼ同じと考えられます。

またパートであれば、自分の都合の良い時間に合わせて勤務時間を決めることが可能で、残業や夜勤もありません。結婚や子育てで一旦、歯科衛生士から退いたものの、子育てをしながらもう一度働きたいと考えている人たちにとっては、個人経営の歯科医院への再就職はベターな選択になるかもしれません。1日数時間、あるいは、週に何日働くことにして、子どもの成長に伴って、勤務時間を増やし、フルタイムで再就職という道を選ぶ人もいるそうです。家庭や個人の事情に合わせて、歯科衛生士という国家資格を活かし無理なく働くことができる職場になるかもしれません。


この記事の筆者:デントプレス

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