いまさら聞けない、歯科衛生士の仕事内容について

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お口の健康づくりのエキスパート

歯科衛生士とは、歯や口腔内の衛生管理や健康づくりを助けるエキスパートであり、歯科衛生士法に基づいた国家資格の取得が必要な専門職です。主に、歯科における予防処置をはじめ、歯科医師の診療補助や歯科保健指導などを行う医療業務従事者であるため、患者さんの口腔内に直接手を入れ、さまざまな処置を行うことが認められています。

歯科衛生士の資格を取得するためには、高校を卒業後、厚生労働省や文部科学省が認定する歯科衛生士専門学校や短期大学などに3年間通うことや、4年制大学の歯科衛生士養成課程などを専攻し、必要な修業年限や時間数、必修科目を修了し、歯科衛生士国家試験に合格することが必要です。歯科衛生士国家試験は毎年3月に実施され、医学の基礎や口腔衛生学、解剖学や病理学などの知識や技能について試験が行われることが多く、専門的に歯科衛生士の学習を修了していれば、90%以上の学生が合格できると言われています。

歯や口腔は、呼吸する、食べる、噛む、飲み込む、話すなど、人間が生活していく上で非常に重要な働きを担っており、高齢化が進む近年は特に、歯や口腔の健康を保つことが全身の健康を維持することにつながると考えられています。そのため、改めて歯科衛生士の仕事内容や役割に、大きな関心や期待が寄せられています。従来は女性のみを対象とした資格でしたが、近年は、男性も資格を取得することができるようになりました。また、歯科衛生士よりさらに高度な専門知識や技術を要する「認定歯科衛生士」という国家資格もあるので、意欲や経験に応じてスキルアップも可能です。

法律で定められた3つの業務

歯科衛生士の仕事内容は、歯科衛生士法・第二条において、歯科予防処置、歯科医師の診療補助、歯科保健指導の3種と規定されています。それぞれの詳細は以下の通りです。

歯科予防処置

歯科における2大疾患であり、歯を失う原因の90%と言われる「むし歯」と「歯周病」を予防する専門的処置を中心に行います。患者さんに対し、歯や口腔内で気になる点がないかなど簡単な問診をしながら、歯や歯肉の状態の点検のほか、機械を使用し歯垢(プラーク)や歯石などの除去(機械的歯面清掃)、むし歯予防のためフッ素などの薬品塗布、正しい歯ブラシの使い方指導などを行います。

歯科医師の診療補助

歯科医師の診療を補助します。歯科衛生士は、医療行為を行うことができない「歯科助手」とは異なり、実際に患者さんの口腔内に手を入れることが認められているため、歯科医師の指示のもと、能力や経験などに応じて治療の一部を担当します。就業先によりますが、患者さんの歯型の製作や診療器具の殺菌消毒・準備・管理のほか、レントゲン撮影の補助、診療報酬請求事務、受付業務、カルテの整理など、任される仕事内容は多岐にわたることが多いようです。さらに、患者さんの不安を取り除きながら、患者さんと医師とのコミュニケーションが円滑に進むよう配慮することも歯科衛生士の大切な役割です。患者さんから信頼を受け、診療の満足や喜びを共有できることは、歯科衛生士の仕事の魅力のひとつでしょう。

歯科保健指導

幼児から高齢者、要介護者など、あらゆる世代の人たちにとって大切なのは、むし歯や歯周病予防です。そのためには毎日の正しい歯磨き(セルフケア)が重要であるため、歯科衛生士は歯科医院や病院をはじめ、乳幼児健診、保育園や幼稚園、学校の歯科検診、介護施設などで、正しい歯磨きの方法などを指導することや、セルフケアのカウンセリングを行います。また、口腔内を清潔に保ち口腔内の健康を維持するためには、正しい生活習慣や食べ物の食べ方、噛み方などが不可欠であるため、改善点がみられる場合は食育などを通した専門的指導も仕事内容に含まれます。近年では、高齢者や要介護者の食べ物を噛み砕くことや、飲み込む力を強化する「摂食・嚥下機能訓練」にも力を入れています。

歯科衛生士の仕事は一生モノ

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近年、健康志向は高まり、歯や口腔内の衛生管理をして健康を維持し、美味しく食べ、楽しく会話できることの大切さが見直されていることは、さきにも触れた通りです。そのため歯の健康を守る歯科衛生士の需要も高まり、求人数は増加する一方です。歯科衛生士は国家資格なので、女性では結婚や出産で一時離職しても再就職しやすい上、パートタイムやフリーランスなどにより自分のペースで仕事をすることも可能です。

活躍の場は主に、歯科診療所(歯科医院)や大学病院、総合病院をはじめ、保健所、市町村保健センター、福祉施設、保育園、幼稚園、学校、企業などさまざまですが、寝たきりの要介護者を訪問し、口腔清掃やブラッシング指導といった口腔ケアを行う歯科衛生士も少なくありません。
また、歯科衛生士として経験を積み、介護施設でケアマネージャーとして、あるいは歯科衛生士養成機関などで学生を指導する講師として勤務することや、歯科メーカーなどの企業において、歯ブラシや歯磨き粉などの製品開発などに携わる歯科衛生士もいます。経験を重ねれば重ねただけ活躍の場もどんどん広がり、キャリアアップすることが可能な専門職です。


この記事の筆者:デントプレス

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