年齢、技術、経験?歯科医師にとってベストな転職時期とタイミングとは?

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転職する際に考えておきたいポイント

今やコンビニの数より多いといわれている歯科医院(歯科診療所)。厚生労働省による統計調査では、平成26年の歯科診療所(歯科医院)の数は68,592件でした。歯科医師の数も比例して過剰傾向にあり、平成18年から厚生労働省や文部科学省は、歯科医師国家試験の難易度を上げ、歯科医師数を減らす取り組みを行ってきました。しかし、現在も大きく減少することはなく、平成26年度の歯科医師数(全国)は、103,972人(うち男性:80,544人、女性23,428人)でした。

一般的に、歯科医師になるためには、6年制の歯科大学や大学歯学部を卒業し、歯科医師国家試験に合格した後、大学病院などで1年以上臨床研修を受けることが必須条件です。歯科医師になるための費用は、学費だけでも高額になることが多いにも関わらず、10万人以上もの歯科医師が、さまざまな就業先で働いているのが現状です。

歯科医師が働く就業先として、まず思いつくのは歯科医院ですが、そのほか、病院や医療施設、保健施設、研究所、製薬会社などにも多く勤務しています。就業先を選ぶ理由はさまざまでしょうが、歯科医院の場合は特に、規模の大きさや立地などにより、待遇や忙しさ、患者層、治療内容などに違いや偏りがみられるようです。「実際、働いてみたら想像と違う!」と思ったり、得意分野を発揮したりスキルアップできるチャンスが少ないなど、自分が思い描いていた就業環境ではないと感じることもあるようです。そんな時、ふと頭をよぎるのが「転職」かもしれません。では、転職を志す際、どのようなことを考え決断すれば良いのでしょうか。

まずはじめに、就業中の歯科医院での不満や不安点を明確に挙げましょう。例えば、それが待遇や忙しさ、患者層、治療内容などであれば、転職先でそれらが解消、改善できるかを第一に考えなくてはなりません。さらにその上で、転職先の経営理念や先輩医師の働きぶりに共感できるか、自分の目標やスキルアップが実現できるか、それに向けての支援制度はあるか、福利厚生は充実しているか、子育てに対する理解はあるか、なども希望や必要に応じておさえるべき大切なポイントです。

 

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転職前に積んでおくべき経験とは?

歯科医師の転職は「歯科医院から他の歯科医院へ」というケースばかりではありません。専門職であり技術職であるため、独立開業やフリーランス転向という手段もあり、まずは自分の理想とする歯科医師像を定めるのが先決です。

独立開業しようと志すのであれば、勤務医でいる間に医院経営や集客のノウハウなどを学んでおきたいものです。そして何より独立開業には多くの資金が必要なので、開業したい場所や医院の内装費、外装費、設備費、薬剤費、広告費などを具体的に試算しておく必要があるでしょう。

フリーランスの歯科医師として活動するなら、複数の歯科医院や企業で定期健診や各種治療を行うなど、自分のペースで働くことができます。また、自身の希望や歯科医院などからの依頼に応じて、歯科衛生士や従業員の教育を行うことや、臨床経験を活かしセミナーや講演会などを開催するフリーランス歯科医師もいます。しかし現状は、義歯やインプラントなど補綴物(ほてつぶつ)の治療や歯科先天疾患の治療を行う口腔外科医や矯正歯科医など、専門技術や経験を持つ歯科医師が活躍しやすいようです。

とはいえ、定年制もない歯科医師の数は常に飽和状態であり、2030年には135,000人ほどにまで増えると予測されているため、安易な転職はあまりおすすめできません。歯科医師だけでなくすべての社会人に言えることですが、現在の就業先で習得できるスキルや知識はすべて身につけたと自信を持って思える時が、転職のタイミングと言えるのかもしれません。

 

勤務医と開業医のメリットとは

厚生労働省の統計調査によると、近年の歯科開業医の平均年収は30歳代で600〜750万円、40歳代で800〜1,100万円、50歳代以降は1,000〜1.100万円となっています。一見、勤務医よりも高収入のように見えますが、独立開業するには想像以上に多額の資金がかかり、ざっと見積もっても3,000〜5,000万円ほど必要だと考えられています。その内訳は、医院の外装費、内装費、設備費、土地代、テナント賃貸料、水道光熱費、薬剤費、人件費、広告費などであり、さらにレーザーやCTなど高額のデジタル機器を導入すれば1,000〜3,000万円の追加費用やそれらのメンテナンス費用も必要になります。そういったことから、歯科医院の数も既に過剰な状況である昨今は、多額の資金を投じて新規開業しても顧客獲得はおろか集客すら困難なことも多く、廃業せざるを得ない歯科医院も少なくありません。

それでも独立開業を志す場合は、一般診療プラスαの専門技術や得意分野を培い、磨いておくことをおすすめします。義歯やインプラントなど補綴治療のほか、根管治療や歯周病学など「この分野だったら…」と思えるスキルを極めていると強みにもなるでしょう。

今後、少子高齢化による人口の減少が見込まれ、歯科医師の需要にも不安が生じますが、就業先の経営者に雇用される勤務医とは違い、自分の理想とする診療が実現できるのは、独立開業のメリットと言えそうですね。


この記事の筆者:デントプレス

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