国立と私立。歯科医師になるために必要な費用を比べてみた。

歯科医師になるための平均的な費用と期間について

一般的に、歯科医師になるためには、厚生労働省が指定する歯科医師養成過程を持つ歯科大学や大学歯学部で、6年間の教育を受け188単位以上を修得する必要があります。それら歯科医師養成機関は全国に、国立大学11機関、公立大学1機関、私立大学17機関の計29機関が存在し、口腔解剖学や歯科理工学などの歯科基礎科目や、歯科保存学や口腔外科学などの歯科臨床科目、さらに歯学に隣接する科目などのほか、医学部同様に解剖学や生理学、病理学などの基礎科目などを修得します。卒業した後は、歯科医師国家試験を受けて合格し、厚生労働大臣より歯科医師免許の発行を受けなければなりません。それからは、実際に歯科医師として一人前の技術を身につけるため、研修施設として指定を受けている大学病院や歯科医院(歯科診療所)などで1年以上臨床研修を受けることが義務付けられています。

歯科医師になるための費用については、私立の歯科大学・歯学部や国公立の歯科大学・歯学部など、進学する歯科医師養成機関によって金額に大きな開きがあり、入学金を合わせて350万円~3,200万円程度と言われています。また、歯科医師になるためには、6年間のカリキュラムを終えた後、実際の医療現場で1~4年間ほど研修医として経験を積むケースが多いと言われ、歯科医師として就業するまでには長い期間を要するのです。

今やコンビニの数より多いと言われている歯科医院の数に比例し、歯科医師の数も過剰傾向にあるため、平成18年から厚生労働省や文部科学省は歯科医師国家試験の難易度を上げ、歯科医師数をおさえる取り組みを行っていますが、平成26年度もこれまでと大きく変わらず、103,972人(うち男性:80,544人、女性23,428人)もの歯科医師が誕生しています。
毎年、歯科大学・歯学部を卒業した多くの歯科医師が、歯科医院をはじめ病院や医療施設、保健施設、研究所、製薬会社、歯科メーカーなど、さまざまな就業先で活躍しているようです。

国公立と私立では学費がこれだけ違う

さきにも述べたとおり、歯科医師になるためには6年間の歯科医師養成機関への就学と、1年間以上の臨床研修を最低16万円程度の月収を得ながら受ける必要があり、実際に就業できるようになるまでに高額の費用がかかります。しかし、ひとくちに歯科医師養成機関と言っても、国公立の歯科大学や歯学部に進学する場合と、私立の歯科大学や歯学部に進学する場合では、かなりの金額差が生じるようです。
例えば、国公立の場合では、入学金28万円程度に加え、年間54万円程度の授業料がかかり、計350万円程度の費用が必要になります。一方、私大の場合では、入学金や授業料、施設設備費、教育充実費、実験自習費、教材費などを合わせた初年度納入金が400~1,100万円程度、次年度以降は350~500万円程度かかり、計1,900万円~3,200万円程度の費用が必要になると言われています。加えて、国公立、私立ともに、実習機材費や白衣代、教科書代なども別途必要になります。

私大でかかる平均的な学費は、国公立でかかる平均的な学費の約8倍と言われ、一般的な家庭から進学することが困難であるという意見も多いようです。実際は、私大の中でも学費設定はそれぞれで、どちらかと言うと、名門と呼ばれる私立歯科大学こそ学費は高額のようですが、高い学費=歯科医師国家試験の合格実績が高いというわけではありません。また、多くの私立歯科大学や歯学部では、各種の奨学金制度や特待生制度、経済支援などによる学費負担の軽減にも取り組んでいるようです。

私立と国公立、どちらの大学が人気か?

例年、私立歯科大学の学費の高さにより、国公立の歯科大学や歯学部への進学を希望する学生が多いようです。私大の中には出願倍率が低く、定員割れが発生している大学や、ほぼ競争のない状態で入学できる大学も多く、比較的入学しやすくなっています。
そのため、入学自体は簡単にできたとしても、その後の授業についていけずに留年する学生が少なくないのが現状です。

一方、国公立の歯科大学や歯学部の場合は難関校が多く、入学するためにも6年間で卒業するためにも、高い学力が必要であると言われています。そのため、卒業後の歯科医師国家試験の現役合格率も、国公立の方が高い傾向にあるようです。

近年は、学費面や歯科医師国家試験の合格率などにより、私大よりも国公立への進学の方が、人気が高いと言えそうです。しかし、さまざまな歯科医師養成機関において、設備やカリキュラム、専門的な科目への取り組み方などにも違いがあるようなので、卒業後のことや人生設計を踏まえた上で比較検討し、進路を決定することをおすすめします。


この記事の筆者:デントプレス

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