歯科医師国保と国民健康保険。それぞれの違いとメリットについて。

歯科医師国民健康保険制度とは?

歯科医師や歯科衛生士が歯科医院に就職を志す際、給与だけでなく社会保険についても確認しましょう。
一般的に社会保険とは、健康保険や雇用保険、厚生年金、労災保険を指し、
中でも健康保険は保険者(医療保険制度の運営、管理者)と被保険者(勤務している人)により数種が存在します。
その中のひとつが「歯科医師国民健康保険制度」であり、通称「歯科医師国保」と呼ばれている国民健康保険の一種です。

「歯科医師国民健康保険制度」は、歯科医院で働く歯科医師や歯科衛生士のほか、
歯科技工士や歯科助手、受付などの従業員、さらにその家族が加入できる医療保険制度で、
各都道府県の「全国歯科医師国民健康保険組合」や「歯科医師国民健康保険組合」が保険者となり運営、管理を行っています。
そのため、開設する歯科医院の場所により、加入できる組合が異なり、保険の内容も微妙に異なるのです。

一般的に手続きが必要な歯科医院には2通りあり、
1.法人組織の診療所
2.常時5人以上の従業員を雇用する個人診療所(※5人とは、常勤のみならず、場合によってパートタイムも数にカウントされる。)
が、対象となります。
手続きをしないままの状態でいると、協会けんぽに強制適用され、当国保組合に残れなくなりますので注意が必要です。

そして、歯科医師国民健康保険は4人までしか加入できません。
そのため、「自分で健康保険に入ってください」と言われることもあり得るので、就業前に必ず確認しておきましょう。

歯科医師国保の加入条件、保険料、メリット

最も規模が大きい「全国歯科医師国民健康保険組合」では、各都道府県における支部所在地の歯科医師会に院長が所属している、
歯科医院の従業員やその家族を対象とし、加入条件を以下のように分類し、定義付けています。

【1種組合員】

支部所在地の歯科医師会会員である歯科医師で規約第4条の地区内に住所を有する者とする。

【2種組合員】

1種組合員である歯科医師が開設又は管理する診療所に雇用される歯科医師で規約第4条の地区内に住所を有する者とする。

【3種組合員】

1種組合員である歯科医師が開設又は管理する診療所に雇用される者(技工士、衛生士、歯科助手、事務員等)で規約第4条の地区内に住所を有する者及び組合に勤務する者とする。

【家族】

世帯員の範囲は、同一世帯に属している者とする。

もし、あなたが就職・転職を検討している歯科医院が歯科医師国民健康保険に加入しているとしても、
それだけでは保険の詳しい内容まではわかりません。
前向きに就職・転職を検討している人は特に、その就業先の歯科医師国民健康保険について調べておくことをおすすめします。

まず、歯科医師国民健康保険のメリットとして挙げられることの多い保険料や保健事業(福利厚生)から確認しましょう。

保険料は、一般的に所得などに関わらず同じ組合の中では一律(院長など一部被保険者を除く)です。
そのため、所得などによって保険料が変わる健康保険よりも、保険料負担が少なく済むことも多いようです。
しかし、歯科医師国民健康保険には「扶養」の概念がなく、子供を扶養している場合などは人数分の加入が必要になるため、
健康保険よりも保険料が高くなってしまうことがあるようです。
そのため扶養の状況はもちろん、扶養の可能性の有無などを踏まえてよく検討する必要がありそうです。

さらに、歯科医師国民健康保険では福利厚生のことを「保健事業」と称し、組合によってさまざまな取り組みを行っています。
主に健康診断や人間ドッグ、予防接種、医療費通知など、組合員が健康で元気に過ごせることを目的とした内容のものが中心ですが、
なかには、観光ホテルや温泉旅館の優待や割引サービスなどを設けているところもあるようです。

反対にデメリットと思われる点もあります。
例えば、歯科医師国民健康保険は、ほかの医療保険制度と同様に医療機関を受診した際、窓口負担は3割です。
しかし、自分が勤務している歯科医院では、何らかの治療をしても、保険請求できないという例外があります。
また、健康保険の場合は、勤務先が組合員の保険料を半額負担しますが、
歯科医師国民健康保険の場合は、保険料を負担する義務がありません。
多くの場合、歯科医院長の方針や厚意などにより、歯科医師国民健康保険でも保険料を何割か負担してくれるようですが、
すべての歯科医院がそうとも限りません。

歯科医師国保は得なのか?

これまで歯科医師国民健康保険制度について述べてきましたが、結論からすると、就職を検討している歯科医院が加入している組合の保険内容や、
保険料負担の割合、自分の扶養状況などにより、得な人もいれば損になってしまう人もいるでしょう。
しかしそれは、の医療保険制度においても有り得ることなので、入社後にがっかりすることのないよう、
事前に歯科医院が加入している医療保険制度について問い合わせ、保険内容についてきちんと理解しておきたいですね。
直接、組合に問い合わせ、確認するのもおすすめですよ。


この記事の筆者:デントプレス

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