女性歯科医師のライフプラン。結婚、子育てと歯科医師の仕事を両立できる?

女性歯科医が働く環境調査報告

日本歯科医師会は平成28年度、歯科医院や病院などに勤務する20代〜30代の女性歯科医師約380人を対象に、女性歯科医師の働く環境やワークライフバランスについて統計調査を行いました。

実際、子供を出産し一時期でも離職をしたことがある女性歯科医師は、62.6%と高い割合で存在し、
離職後の復職については、勤務体系を常勤から非常勤や時短勤務などに変更した女性歯科医師や、
少しでも時間的に融通のきく就業先へ再就職をした女性歯科医師などが少なくないのが実態のようです。

結婚や出産、育児など、女性歯科医師を取り巻くライフステージの変化は、多かれ少なかれ働き方に影響をもたらすことが多く、
特に妊娠、産休を経て復職することは簡単ではありません。育児をサポートしてくれる保育施設や親族などを確保し、復職を果たせたとしても、
柔軟な働き方ができるような環境や体制が十分に整っているとは言い切れない現状なのです。

女性歯科医師が大学を24歳で卒業し、臨床研修を経て歯科医院などに勤務する。そして、ふと気づくと、30歳を迎えている…ということは十分にありえます。
結婚や出産を意識しても、多忙を極める日々の中、タイミングを逸してしまう人や、「きっと自分には結婚や子育てと仕事を両立することなんてできない」と諦めてしまう人も多くみられるようです。

しかし、少しずつですが職場内の託児、保育施設の設置・拡充や、育児と両立するため時短勤務が認められている職場なども増え、
出産後の復職支援制度は広まりつつあるようです。また、女性であることを活かせる、行政や学校などの歯科健診や健康教育のほか、歯科麻酔、小児歯科、矯正歯科などの専門診療での活動を期待されており、
そのための研修支援なども進められようとしているため、再就職への道も以前と比べて開かれているといえそうです。

女性歯科医育成プログラムを導入する医院

現在、歯科医師国家試験の合格者で女性歯科医師の占める割合は40%を超えると言われています。
就職した後も、優秀な女性歯科医師がライフステージの変化によってキャリアを見直すことや、結婚や出産のタイミングを考える時期もあるといえそうです。
近年、そのような現実を問題視しはじめた歯科医院は少なくありません。そのような歯科医院は、女性歯科医師ひとりひとりの事情や不安、悩みに寄り添い、
さまざまなライフステージに生じる問題や困難を回避しながら、スキルアップ・キャリアップできるような育成プログラムを設け、導入しはじめているようです。

医院によって異なる育成支援体制


ある歯科医院では、全スタッフで度々勉強会や症例検討会を開き、ブランクや欠勤があっても他の歯科医師が診療した症例について学び、質問や相談ができるなどの、学びの機会を設けています。
また、ある歯科医院では、女性歯科医師が非常勤や時短勤務などで就業しやすいよう、歯周病やインプラントなどの専門分野を学べる機会を設けています。
さらに、「女性歯科医師だからこそ、診療ニーズの高い小児歯科分野を習得して欲しい。」と、小児によくある虫歯や不正咬合などの治療、予防などに対応できるよう、マニュアルやプログラムを用意している歯科医院もあります。

また、求人面でも変化がみられるようです。例えば、「子育てなどで、一時期離職しても復帰したいと思える、あるいは復帰しやすい歯科医院でありたい。」という理想を掲げ、
ブランクのある女性歯科医師の復職や再就職を募る歯科医院は増えてきています。
復職を希望する女性歯科医師が、週1日以上や時短勤務で、ゆっくりとリスタートできるような支援体制を設けている歯科医院や、
ブランクを補えるよういつでもトレーニングが可能な治療練習用ユニットなどを設置している歯科医院もあるようです。

このように歯科業界からはもちろん、患者さんからも、女性だからこそできる細やかな治療を望む方もいるでしょう。
子育てと上手にバランスを取りながら、専門職である歯科医師というお仕事を、自信と誇りを持って働き続けることを、社会全体で考える必要がありそうですね。


この記事の筆者:デントプレス

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