資格? 免許? 認定歯科衛生士制度っていったい何?

認定歯科衛生士制度とは

近年、患者さんからの多様化する診療ニーズに応えるため、専門性の高い診療を幅広く行う歯科医院は増えてきています。
言うまでもなく、そこで働く歯科医師は専門的知識や技術を兼ね備えた専門医ですが、診療補助などを行う歯科衛生士もまた、専門治療に対応できる知識や技能を持つことが求められるようになってきました。
そもそも歯科衛生士とは、歯科予防処置、歯科医師の診療補助、歯科保健指導を三大業務とする国家資格の専門職です。
しかしそれらに加え、より専門的な分野の学びを深め、技能を習得した歯科衛生士を評価し認定する「認定歯科衛生士制度」が、この10年ほどの間にさまざまな専門分野において発足されました。

認定歯科衛生士制度を発行しているのは、日本歯科衛生士会や日本歯周病学会などの機関であり、それぞれの機関によって、発足時期や資格取得に必要な条件、認定基準、登録料、更新時期、難易度などはさまざまです。
しかし、基本的には、①歯科衛生士免許を取得していて、②その認定機関の会員であり、③申請条件を満たしていれば、誰でも受験することのできる資格です。
多くの機関の場合、特定する専門分野において3年〜5年の臨床経験がある歯科衛生士が、認定する機関の審査や試験に合格し、
高度な業務実践の知識、技能を有すると認められた場合、認定歯科衛生士名簿に登録され、認定証が交付されます。

認定機関はほかにも、日本口腔インプラント学会や日本歯科審美学会、日本成人矯正歯科学会、日本小児歯科学会、日本ヘルスケア歯科学会、日本顎咬合学会、臨床歯周病学会、日本障害者歯科学会などがあります。近年の歯科業界において、いかに専門性の高い診療に対応できる歯科衛生士が必要とされているかが、わかりますね。

何故、認定歯科衛生士制度が発足されたのか

近年、歯科業界だけでなく医療業界全体においても専門化が進み、一般診療プラスαの専門的な知識や技能を持つ医師の需要は高まる一方です。
また、歯科医院数は年々過剰傾向にあるため、他院との差別化を図るためにも専門性に特化した診療を提供する歯科医院は増加傾向にあります。
このような時代背景により、歯科業界ではこれまで以上に予防歯科や審美歯科、矯正歯科、インプラントなどの専門分野を診療する専門医や歯科衛生士の雇用ニーズが高まっているのです。

それでは、認定歯科衛生士には、どのような役割が求められているのでしょう。
例えば、予防歯科の認定歯科衛生士では、生活習慣病予防や在宅療養指導、摂食・嚥下リハビリテーションなど、審美歯科の認定歯科衛生士では、
保健福祉の増進と患者さんの生活の質の向上など、さらに矯正歯科やインプラントの認定歯科衛生士では、専門的な治療補助やメンテナンスなどを専門的に行うことが求められているようです。

このように特定分野の認定歯科衛生士になると、さまざまな学会に参加し、論文などを発表する機会も得られ、その分野の臨床に数多く携わることで最新の知識や技能を磨き続けることが可能です。
そして、特定分野における歯科衛生士のスペシャリストとして歯科医師と連携を取りながら、高度で質の高いチーム医療を患者さんへ提供できるエキスパートになることができるのです。

専門性を活かし、更なるキャリアアップを

国家資格である歯科衛生士は、患者さんの口腔内の健康を維持するという大切な役割を担い、生涯通用する専門職です。
しかし医療は日々進歩を遂げているため、スキルアップやキャリアアップのためには、常に最新かつ専門性の高い知識や技能を学び、身につける努力や心がけが必要不可欠と言えます。
そのためには、あなたがもし特定の専門分野に興味を持っているのであれば、臨床経験を積み、その分野の認定歯科衛生士資格を取得することで、歯科衛生士としての価値もより一層高まるでしょう。

難易度に違いはありますが、専門性を追求する以上、認定歯科衛生士の取得や更新は簡単ではないかもしれません。
しかし、専門性の高い知識や技能に見合う待遇も期待できる上、専門分野に特化した歯科医院などの転職では有利に働くでしょう。
また、ライフステージの変化に応じ、働き方を変えざるを得ない場合や、やむを得ず一時離職した場合も、専門的な知識や技能を武器に、自分の人生設計やライフスタイルに合わせた働き方が選択できそうです。
認定歯科衛生士の資格は、歯科衛生士としての未来を更に輝かせるための有力な手助けになることでしょう。思い切ってチャレンジしてみる価値はありそうですね。


この記事の筆者:デントプレス

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