歯科医への第一歩。歯科医師国家試験の合格率

国家試験の合格状況について

年に1回行われている、歯科医師国家試験。毎年の受験者数は3,000人台を推移し、依然として歯科医師という職業を志す学生は数多く存在しています。
合格率を見てみると、平成17年度までは約80%の学生が合格していましたが、平成27年度では63.8%、28年度では63.6%、今年度では約65.0%と、近年は60%代前半〜中盤を推移し、
平成17年度以前と比較すると明らかに低下傾向にあります。そして来年度以降も低下し続ける可能性が非常に高く、平成37年度頃までに約50%まで下がるだろうという説もあるほどです。

このような状況は、平成18年度より厚生労働省と文部科学省が歯科医師の供給過剰問題に対して行った対策が原因と考えられています。
1つ目は歯科医師国家試験の難易度を上げて合格基準を引き上げていること、2つ目が、各歯科大学の歯学部定員数削減を行っていることです。

合格者の内訳を見てみると、例年、新卒者が全体の80%なのに対し、既卒者は新卒者の約半数で、今年度も同様に、新卒者の合格率が76.9%だったのに対し、既卒者は半数ほどでした。
難易度が上がり、既卒者は新卒者に比べて歯科医師国家試験のための学習が十分にできないことが理由と考えられており、新卒で合格できない場合、2年目、3年目と、受験回数が増すほど合格率は低下する傾向にあるようです。
そうすると学費の面でも負担が大きいため、2年目や3年目で合格できなかった場合は、歯科医師の道を断念する学生も少なくないでしょう。

難易度は年々上がっている?

先にも述べた通り、平成18年度より歯科医師国家試験の難易度は年々上がってきています。
出題される問題は、歯科医師として必要な科目や知識についてのみならず、多岐に渡るようです。
例えば、近年の少子高齢化に伴い、多様化する患者さんの診療ニーズに対応する必要性から、高齢者の摂食・嚥下障害、全身疾患をはじめ、
治療装置や材料の比較、医療保険・介護保険などの社会保証制度、小児虐待への対応、医療安全・感染対策やショック時の対応、薬害や放射線の影響など、出題される問題は多岐に渡っています。
そのため、毎年の傾向と対策を立てにくく、試験のための準備も困難になり、「ふるい落とすための国家試験」などと言われることもあるようです。

また、特に私立の歯科大学では国家試験の合格率を低下させない、あるいは上昇させることを目的に、卒業試験の難易度を上げる傾向にあります。
それによって入学することよりも卒業することの方が困難になり、さらに国家試験の合格率低下や歯科医師過剰状況などもあいまって、卒業をあきらめてしまう学生も出てきているようです。

学校別の合格率


歯科大学別に、ここ3年の歯科医師国家試験の合格率を見てみると、各年のトップ10は以下の通りでした。

【平成29年度】

・1位 東京医科歯科大学(国公立)…94.1%
・2位 東京歯科大学(私立)…91.1%
・3位 北海道大学(国公立)…86.0%
・4位 大阪大学(国公立)…84.4%
・5位 九州大学(国公立)…80.9%
・6位 昭和大学(私立)…79.4%
・7位 九州歯科大学(国公立)…79.3%
・8位 岡山大学(国公立)…79.1%
・9位 東北大学(国公立)…78.5%
・10位 日本大学松戸(私立)…76.1%

【平成28年度】

・1位 東京歯科大学(私立)…93.3%
・2位 東京医科歯科大学(国公立)…91.0%
・3位 九州大学(国公立)…82.3%
・4位 北海道大学(国公立)…82.0%
・5位 徳島大学(国公立)…78.7%
・6位 日本歯科大学(私立)…78.7%
・7位 岡山大学(国公立)…78.5%
・8位 大阪大学(国公立)…77.0%
・9位 長崎大学(国公立)…74.5%
・10位 神奈川歯科大学(私立)…74.3%

【平成27年度】

・1位 東京歯科大学(私立)…93.5%
・2位 東京医科歯科大学(国公立)…81.7%
・3位 岡山大学(国公立)…80.0%
・4位 鹿児島大学(国公立)…78.3%
・5位 北海道大学(国公立)…78.1%
・6位 大阪大学(国公立)…77.8%
・7位 九州歯科大学(国公立)…77.7%
・8位 九州大学(国公立)…76.3%
・9位 昭和大学(私立)…76.0%
・10位 広島大学(国公立)…75.8%

合格率は、私立大学より国公立大学の方が高い傾向にあり、トップ2は3年間変わりのない2校という結果でした。都心だけでなく、北海道大学や九州大学など地方の国公立大学も高い合格率を維持しています。
最初の章でも述べましたが、既卒者より新卒者の方が明らかに合格率は高いため、新卒での一発合格を目指したいところです。そのためには志望校選びも慎重に行いたいですね。


この記事の筆者:デントプレス

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