日本は65歳以上の高齢者が4人に1人という「超高齢社会」です。
そんな中、誤嚥性肺炎や、口腔内環境と全身疾患の関係が注目され、「訪問歯科」の分野は年々ニーズが高まっています。
訪問歯科では、一般歯科医院で往診という形で行っているものと、往診を専門としている医院があります。今回は、訪問専門医院での訪問歯科衛生士の仕事にスポットを当ててみました。訪問歯科衛生士の仕事に興味のある方は、是非ご参考いただけると幸いです。
口腔内清掃がメイン業務
訪問歯科衛生士のメイン業務は、患者さまの口腔内清掃です。歯ブラシでの口腔内清掃はもちろん、必要に応じてスケーリングなども行います。また、一般歯科で行われないものとしては、「粘膜」部分の清掃も行うのが特徴です。寝たきりや、障害のある高齢者では、口腔粘膜も不衛生になるため、清拭綿などでの清掃を行います。
訪問歯科ならでは、口腔機能リハビリテーション
唾液腺の刺激や発声練習など、口腔機能が低下した方にリハビリテーションを行うこともあります。たとえば、舌の運動機能は誤嚥性肺炎の予防や、食事にも影響を与えます。患者さまに適したリハビリテーション方法を指導することも訪問歯科衛生士の仕事のひとつです。
全身疾患への知識も必要
ご高齢の方は口腔内の問題だけでなく、全身疾患を持っていることがほとんど。全身疾患への知識や、歯科での注意点、お薬の名前などの知識も求められます。
体力勝負?基本は立ちっぱなし
基本的に、患者さまのご自宅や老人ホームに伺っての診療のため、専用のユニットはありません。患者さまが普通のベッドに寝た状態や、いすに座った状態で処置を行うため、訪問歯科衛生士の仕事は立ちっぱなし、しかもかがみこむような姿勢になることが多く、それ相応の体力が必要です。
訪問歯科衛生士に向いていると思われる人は?
訪問歯科衛生士は、診療所での歯科衛生士の仕事とは大きく異なります。TEK(テンポラリー・クラウンの略称。歯科治療で用いられる暫定的な補綴物の事)やメタル調整などの細かい作業はほとんどないので、手先の器用さはあまり関係ありません。
それよりも、人と接すること、気遣いができることなど、コミュニケーション能力の高さが求められる仕事です。また、訪問歯科の患者さまの口腔内は、一般歯科の患者さまと比較して、清掃不良であることが多いため、そのようなことにも対応できるという人に向いている仕事であると言えます。
訪問歯科衛生士の魅力
訪問歯科衛生士の仕事の魅力は、社会貢献度の高い仕事であることが大きいのではないでしょうか?
また、歯科医院内に留まらず、ホームヘルパーや看護師、機能療法師など、様々な職業の人とも連携し仕事ができるというのも訪問歯科衛生士ならではの魅力です。
訪問歯科衛生士の仕事についてお分かりになりましたか?
超高齢社会の日本にとって、訪問歯科衛生士の仕事はなくてはならない仕事です。
今後もそのニーズはますます高まっていくでしょう。ブランクがあり、SRP、インプラントなどに自身がない歯科衛生士さんでも、比較的復帰しやすい現場でもあります。
興味のある方はぜひチャレンジしてみてください!