【プロが指南!労使トラブルのアレコレ】-傷病手当金とは?

傷病手当金とは

【この記事を書いた人】
プロ・ステ-タス社会保険労務士/国際行政書士事務所
代表 五十嵐 博幸(Igarashi Hiroyuki)

 

 

 

 


◆傷病手当金

前回は、労災保険として業務上の事由又は通勤による労働者の負傷、疾病、障害、死亡等に対して、必要な保険給付が行われることについて説明しました。今回は、業務上の事由ではない、怪我で給料を受けられないときに支払われる傷病手当金について説明します。

健康保険の被保険者(国民健康保険は任意給付となっており自治体により傷病手当金の支給があるか否かは、異なります。)が療養にため仕事を休み、給料を受けれないときは、傷病手当金が支給されます。(※平成19年4月からは、資格喪失後の給付として支給される場合を除き、任意継続被保険者に対しては支給されません。)

◆支給を受ける条件
傷病手当金は、次の4つの条件が全て揃ったときに支給されます。

1. 療養中であること。
病気やケガの療養であれば、健康保険ではなく自費で診療をうけてもかまいません。ただし、健康保険で診療を受けられない労災・通災については、傷病手当金は支給されません。

2. 仕事につけないこと(労務不能)。
仕事に就けないとは、今まで行っていた仕事に就けないということであり、他の軽い仕事ができても、もとの仕事に就けない場合をいいます。今までより、やや軽い仕事に就いたり、医師の指示で半日出勤し、今までと同じ仕事をするような場合には『労務不能』とは認められません。

3. 4日以上仕事を休むこと。
療養のため仕事を休んだ日から継続した3日間の期間をおき、4日以上休んだ場合に4日目から支給されます。この3日間の期間を待期といいます。

4. 給料(報酬)の支払いがないこと。
生活保障のためのものですから、会社が給料を支払っている間は、傷病手当金は支給されません。給料が支払われても、傷病手当金より少額のときは、その差額が傷病手当金として支払われます。また、給料の支払いが打ち切られたときは、全額が支給されます。つまり、1~3の条件を満たしていれば給料(報酬)を受けなくなった日または、報酬の額が傷病手当金の額よりの少額になった日から、支給されることになります。

≪退職後の給付について≫
被保険者資格を喪失したときも、被保険者期間が継続して1年以上あり、資格喪失の時に傷病手当金の支給を受けているか、上記1~4の条件を全て満たしていれば被保険者期間中と同様に支給を受けることができます。尚、任意継続被保険者には傷病手当金の仕組みはありませんが、この退職後の継続給付として受けることは出来ます。
※ ただし、老齢厚生年金などの老齢退職年金給付との間での支給の調整は行われます。

◆支給される額
※ 平成28年4月1日より改正が行われています。
平成28年4月1日より支給額(1日あたり)
(支給開始日以前の継続した12か月間の各月の標準報酬月額を平均した額)÷30日×3分の2

◆支給期間
傷病手当金の支給期間は1年6か月で、現実に支給を開始した日がその起算日になります。例えば、休み始めてから3日間の待期を完成させて4日目も休んだ場合は、4日目から支給されその日が起算日となります。ここでいう1年6か月という意味は支給の実日数ではなく、暦の上での1年6か月という意味ですから支給を始めた日から1年6か月が経てば、その間の出勤日数にかかわりなく、その病気・怪我について傷病手当金は打ち切られます。

◆労災保険との関係
労災保険の休業補償給付を受けている間に、業務外の病気になったときは、傷病手当金は合わせては、支給されません。休業補償給付の額が傷病手当金の額よりも低額の場合にその差額が支給されます。

◆支給手続き
『傷病手当支給申請書』に、事業主の証明と医師の意見をつけて保険者(全国健康保険協会又は健康保険組合)に提出します。添付資料は出勤簿及び賃金台帳等の提示が必要です。事業主の証明については仕事(労務)に就けなかった期間、報酬の支払いについてのものですが、証明に誤りがあると不支給とされたり、後で返還を求められたりすることがありますので注意が必要です。
医師の意見は、病気・怪我の経過などと、労務不能の期間についてのものですが、例えば「今後3か月間の療養を要す」といった診断書の交付を受けた場合であっても、実際に労務に就けなかった期間についてのみ請求し、不確定な先の分まで請求できません。一般的には、1か月や10日または、2週間ごとになどで区切って請求します。

次回は、「出産手当金」とは?と題して、お送りいたします。

《労使トラブルに関するご相談・お問合せはお気軽にどうぞ》

プロ・ステ-タス社会保険労務士/国際行政書士事務所
代表 五十嵐 博幸(Igarashi Hiroyuki)
http://hakenrider.com/
TEL 03-3525-4518
email pro-status@kcf.biglobe.ne.jp


この記事の筆者:デントプレス

デントプレス編集部です。歯科業界に従事する方の就職活動を応援するサイト「デントプレス」を運営しています。歯科のお仕事にまつわる有益な情報を提供していきます。