【プロが指南!労使トラブルのアレコレ】-出産育児一時金とは?

出産育児一時金とは

【この記事を書いた人】
プロ・ステ-タス社会保険労務士/国際行政書士事務所
代表 五十嵐 博幸(Igarashi Hiroyuki)

 

 

 

 

◆出産育児一時金
女子被保険者は出産したときは出産育児一時金が、被扶養者である家族が出産したときは家族出産育児一時金が、それぞれ支給されます。出産育児一時金・家族出産育児一時金の額は平成21年1月からの産科医療補償制度の創設に伴い従来の1児につき350,000万円から380,000万円となり、緊急の少子化対策の一環として平成21年10月からは1児につき420,000万円(在胎週数が22週に達していないなど、産科医療補償制度の対象とならない出産の場合は、390,000万円)となりました。
更に、平成27年1月からの産科医療補償制度の見直しにともない、対象外出産の場合の390,000万円は、404,000円に変更されています。

◆出産とは
健康保険でいう出産とは、妊娠85日(4カ月)以後の生産(早産)、死産(流産)、人工妊娠中絶を言います。出産に関する給付は、主に母体を保護するために行われるものですから、父の不明な子の出産も給付の対象になります。また、正常な出産、経済上の理由による人工妊娠中絶は、健康保険による診療(療養の給付)の対象からは除かれますが、出産育児一時金の対象にはなります。
女子被保険者が妊娠中(85日以後)、業務上または通勤災害でけがをして、早産したような場合、労災保険で補償をうけたとしても、出産に関する給付は、行われます。尚、被保険者が出産をした場合で、夫に収入があるときは、普通は、生まれた子は収入の多い方の被扶養者になります。

◆格喪失後6カ月以内の出産
被保険者の資格を失ってから6カ月以内に出産をしたときも、被保険者期間が継続して1年以上あれば、出産育児一時金が支給されます。
また、任意継続被保険者の資格を失った人についても、任意継続被保険者の資格を取得した日の前日まで継続して1年以上被保険者期間があれば同様に出産育児一時金がもらえます。
なお、女子被保険者が資格喪失後、配偶者である被保険者の被扶養者となった場合、資格喪失後の出産育児一時金を受けるか、家族出産育児一時金を受けるかは選択によることになっており、重複しては支給されません。また、被保険者の資格喪失後には、被扶養者だった家族が出産しても家族出産育児一時金は支給されません。支給される出産育児一時金の額、支給を受けるための手続きは在職中の場合と同じですが、事業主の証明は必要ありません。

◆産科医療補償制度
平成21年1月からの産科医療補償制度は、①通常の妊娠・分べんにもかかわらず、分べんに関連して重度脳性麻痺になった申請時に対し速やかに補償を行い、②重度脳性麻痺の発症原因を分析して再発防止に役立てることによって、産科医療の質の向上を図り安心して出産できる環境を整備することを目的としています。補償が行われるのは、制度に加入している医療機関等において、「出生体重1,400g以上かつ在胎週数32週以上」で、または、「在胎週数28週以上で所定の要件に該当した場合」で出生し、身体障碍者障害度等級1級・2級相当の重度脳性麻痺となった新生児です(先天性の要因等については補償の対象外となります)。補償の内容は、看護・介護のための補償金として一時金600万円+分割金総額2,400万(20年間)の合計3,000万円となっています。この制度では、在胎数週が22週以降の分べん1件につき、医療機関等が掛金16,000円(同30,000円)を負担します。尚、掛け金の変更と同時に出産育児一時金・家族出産育児一時金の額が引き上げられたため、支給総額420,000円に変更はありません。

◆直接支払い制度と受取り代理制度
被保険者が医療機関等の窓口で出産費用(異常分べんなどで療養の給付等を受けた場合の一部負担金等を含む)をできるだけ現金で支払わなくても済むように、出産育児一時金等の
請求と受け取りを被保険者等に代わって医療機関が行う「直接払い制度」が設けられています。
また、「受取り代理」の仕組みが平成23年4月から制度化されています。これは、被保険者等が保険者に出産育児一時金等の請求を行う際、出産する医療機関等にその受け取りを委任するもので被保険者等にとっては、窓口負担が軽減されることになります。
直接支払い制度または、受取り代理制度を導入する場合医療機関等で出産する場合でも、その制度を利用するか、保険者に直接請求して支給を受けるかは、被保険者等の側で選択できます。

次回は、「雇用保険」とは?と題して、お送りいたします。

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この記事の筆者:デントプレス

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