【プロが指南!労使トラブルのアレコレ】-労働組合とは?

労働組合とは?

【この記事を書いた人】
プロ・ステ-タス社会保険労務士/国際行政書士事務所
代表 五十嵐 博幸(Igarashi Hiroyuki)

 

 

 

◆労働組合とは
労働者が主体となって、自主的に労働条件の維持改善その他経済的地位の向上を図ることを主たる目的として組織する団体及びその連合団体をいう。ここでいう自主的は、使用者の利益代表者を含んだり運営のための経費について使用者の援助を受けたりしてはならず、また民主的運営を確保するために組合規約に一定の事項を記載することが求められている。政治信条を基礎に結成される労働者政党とは区別される。労働組合は、組合員のために使用者との間で団体交渉を行なって、労働協約を締結する権限を有し、また争議行為を行うことができる。

◆団体交渉とは
労働組合と使用者との間で労働条件などをめぐり憲法の保障する労働基本権の一つである団体交渉権に基づき行われる労使間の交渉をいう。
団体交渉は使用者側が正当な理由なく拒否をすると不当労働行為となる。不当労働行為事件の審査は労働委員会によって行われる。

◆労働基本権とは
日本国憲法で保障された人間が人間らしく生きる権利を実現するための手段として賃金労働者という社会的地位にある者に対して、必要とされる特別に保障された権利で勤労権及び労働三権をいう。

➔勤労権とは、憲法では「すべて国民は、勤労の権利を有し、義務を負う」と定めているが、国民が自由な労働の機会を得ようとすることに対し国が必要な措置をとるべきであるとする政治上の責務を宣言したもので国民の法的な義務を定めたものではないと解されている。

➔労働三権とは以下の3つの権利を指す。
・・・団結権とは、勤労者が使用者と対等の立場に立って、労働条件などについて交
渉するために労働組合をつくる権利、また労働組合に加入する権利。
・・・団体交渉権とは、団結権に基づいた労働組合の設立趣旨である使用者との交渉を可能とする権利、協約を結ぶ権利。

◆不当労働行為とは
労働組合法は、「使用者が雇用する労働者の代表者と団体交渉をすることを正当な理由がなくて拒むこと」を団体交渉拒否の不当労働行為として禁止しています。
使用者が、労働者および労働組合が行う組合活動、団結活動に対して、妨害、抑圧、干渉したり、あるいは弱体化を図ったりする行為のことをいう。これらの使用者の行為を法によって禁止し、違反行為が発生した場合に、国家機関(裁判所および労働委員会)が労働者および労働組合を救済する制度を不当労働行為救済制度という。この制度は、国家によって団結活動を積極的に保障することを目的にしている。不当労働行為救済制度は、憲法で保障された団結権等の実効性を確保するために、労働組合法に定められている制度。労働組合法第7条では、使用者の労働組合や労働者に対する次のような行為を「不当労働行為」として禁止しています。

➔労働組合法第7条第1項第1~4号〔不当労働行為として禁止される行為〕

➔組合員であることを理由とする解雇その他の不利益取扱いの禁止(第1号)
以下を理由に、労働者を解雇したり、その他の不利益な取扱いをすること
・・・労働組合の組合員であること
・・・労働組合に加入しようとしたこと
・・・労働組合を結成しようとしたこと
・・・労働組合の正当な行為をしたこと
・・・労働者が労働組合に加入せず、又は労働組合から脱退することを雇用条件とすること

➔正当な理由のない団体交渉の拒否の禁止(第2号)
使用者が、雇用する労働者の代表者と団体交渉をすることを、正当な理由なく拒むこと。
使用者が形式的に団体交渉に応じても、実質的に誠実な交渉を行わないこと(「不誠実団交」)も、これに含まれます

➔労働組合の運営等に対する支配介入及び経費援助の禁止(第3号)
労働者が労働組合を結成し、又は運営することを支配し、又はこれに介入すること
労働組合の運営のための経費の支払いにつき経理上の援助を与えること

➔労働委員会への申立て等を理由とする不利益取扱いの禁止(第4号)
労働者が労働委員会に対し、不当労働行為の申立てをし、若しくは中央労働委員会に対し再審査の申立てをしたこと、又は労働委員会がこれらの申立てに関し調査若しくは審問をし、若しくは労働争議の調整をする場合に労働者が証拠を提示し、若しくは発言したことを理由として労働者を解雇し、その他の不利益な取扱いをすること

◆労働協約とは
団体交渉を行った結果、労使間で合意に達した労使関係ルール事項を書面にし、労使双方が署名又は記名押印(締結)したものであれば、名称(協定、覚書、確認書)や書式にかかわらず労働協約として認められる。

➔協約の効力は、労働契約や就業規則に優先して使用者と労働者との関係を決める効力(規範的効力)が与えられています。

◆争議行為とは
労働関係調整法(全43条)第7条では「争議行為とは、同盟罷業、怠業、作業所閉鎖その他労働関係の当事者が、その主張を貫徹することを目的として行う行為及びこれに対抗する行為であって業務の正常な運営を阻害する行為」と定義。労働組合法8条で使用者は、同盟罷業(ストライキ)その他の争議行為であって正当なものによって損害を受けたことの故をもって、労働組合又はその組合員に対し賠償を請求することができないと規定。つまり当該行為が正当性を有することが認められるものであれば、刑事責任・民事責任の免除、不利益取扱いの禁止、不当労働行為救済手続の利用などの法的保護が与えられることになります。労働関係調整法第7条は、使用者側が労働者の争議行為に対抗して労働者集団を事業所から締め出すために行う作業所閉鎖(ロックアウト)も争議行為としています。

次回は、「衛生委員会」とは?と題して、お送りいたします。

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この記事の筆者:デントプレス

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