【プロが指南!労使トラブルのアレコレ】-派遣社員の抵触日とは?

派遣社員の抵触日とは

【この記事を書いた人】
プロ・ステ-タス社会保険労務士/国際行政書士事務所
代表 五十嵐 博幸(Igarashi Hiroyuki)

 

 

 

 

◆人材派遣は、3年間

2015年9月30日に施行された改正派遣法により、派遣社員の継続した就労期間の上限は3年間とされました。
この3年間については、派遣社員が就労する派遣先(派遣社員を受け入れる企業)の事業所ごとに3年間と決められています。つまり事業所が変われば、新たに3年間の派遣就労が可能になります。

また、これとは別に派遣社員個人ごとに派遣就労期間の上限も3年と決められています。この点については、同じ派遣先において同じ組織を単位としてみたときに、同じ組織単位で同一の派遣社員に継続して派遣就労してもらう場合、受け入れることができる上限期間が3年間までということになります。つまりこちらは、個人単位で3年間ということになります。

人材派遣は、あくまでも『臨時的、一時的』な利用とされていますが、その具体的な期間として「3年間以内」であると理解することが出来ます。
この3年間の制限期間を超えてしまう初日を派遣可能期間の「抵触日」といいます。

 

◆事業所の抵触日に関する延長

3年間の派遣可能期間の抵触日を迎える前に一定の手続きをすることでで、派遣可能期間を延長することができます。これは、派遣先の事業所の抵触日についてのみ延長することが可能で個人単位の抵触日は、延長することはできません。

この事業所単位の抵触日を延長するためには、派遣先事業所の労働者の過半数を代表する従業員代表と事業主との間の話し合いによって行われ、事業主側から従業員代表者に対して、派遣社員の受け入れ期間を最大で新たに3年間延長しようと計画しているが、従業員側としてどう考えるか、意見を聴取するというスタイルで行われます。

従業員側から異議なしであれば、期間延長が可能で、仮に反対であれば意見を聞いて更に細かい説明を行い一定の理解を得たうえで期間延長するというものです。

ただし労使間で延長に対する合意が条件とは、なっていません。更に延長回数にも上限はありません。

その結果、事業所の抵触日を延長し続けている限り、個人単位の3年間の制限を守るため派遣社員が入れ替わることで、派遣社員を受け入れ続けることが可能となります。

 

◆個人単位の抵触日

同一の派遣先における同一の組織(単位)で派遣就労を継続できる期間が3年間となりましたが、この組織単位を変えて派遣就労を開始すると新たな派遣可能期間3年間のカウントが始まります。

つまり新たに別の組織(単位:課をイメージ)で派遣就労を開始した場合は、そこから3年間の派遣就労が可能となるわけです。

 

◆クーリング期間

事業所の抵触日と個人単位の抵触日は共にクーリング期間というものがあります。

このクーリング期間とは、途中3か月を超える期間(3か月間と1日以上)間が空くことで3年間のカウントがリセットされ復帰した時点から新たな派遣可能期間のカウントが開始するというものです。

つまり3か月以下の期間、派遣契約の間が空いても引き続き3年間の期間はリセットされず継続してカウントされるため、事業所の抵触日、個人単位の抵触日ともに変わることはありません。

 

◆常用代替防止義務とは

派遣先の正社員は常用雇用として必要な労働力として雇用されています。一方、派遣社員は原則飽くまでも臨時的・一時的な雇用であり、その派遣社員が入れ替わりながら長期的に一定のポジションに就いて派遣先において就労することにより派遣先正社員に取って代わり、正社員の代替労働者として働く、いわゆる常用代替が生じやすいことが懸念として挙げられます。

有期雇用を中心とした不安定な雇用形態である派遣労働者による正社員等の常用雇用の代替として利用されることの防止を図ることが求められています。

本来的に常時必要な労働力であれば直接雇用で常用雇用の労働者として雇い入れることを派遣先企業に促しているといえるでしょう。

 

次回は、「外国人の新設在留資格(特定技能)とは」と題して、お送りいたします。

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この記事の筆者:デントプレス

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