【プロが指南!労使トラブルのアレコレ】-セクハラ・パワハラの定義とは?

セクハラ・パワハラの定義とは?

【この記事を書いた人】
プロ・ステ-タス社会保険労務士/国際行政書士事務所
代表 五十嵐 博幸(Igarashi Hiroyuki)

職場におけるセクシャルハラスメントとは、その態様によって大きく2つに分ける事が出来ます。

◆対価型セクシャルハラスメント
職場において行われる性的な言動に対する労働者の対応によりその労働者が、その労働条件に付き不利益を受けるもの
(例)
1 事業所内で事業主や上司が労働者に対して性的な関係を強要したが、拒否された為、報復として不利益な処分をすること。
2 事業所内、外で事業主や上司が労働者(例:女性)の臀部や胸・肩などを触り、抵抗又は拒絶されたため、労働者に不利益な処分をすること。
3   事業所内で事業主や上司、同僚、部下などが性的な発言を繰り返していた為、不快に感じた者が講義したところ報復的に更に発言が増したり、批難や無視をされたりすること。

◆環境型セクシャルハラスメント
性的な言動により労働者の労働環境が害されるもの
(例)
1  事業所内で事業主や上司、同僚、部下などが労働者(例:女性)の臀部や胸、肩などに触ったため苦痛に感じた労働者の出社及び労働意欲が低下してしまう。
2 同僚が取引先で労働者の性的な噂を意図的に流し、その労働者が苦痛によって出社及び労働意欲が低下してしまう。
3 労働者が不快に思うため抗議しているにも関わらず、PC画面にヌード画像などを表示させている結果、労働者の出社及び労働意欲が低下してしまう。

労働者とは
正社員に限らず、パート、契約社員、派遣社員など事業主が雇用する全ての者を言います。また、セクハラは異性間の場合だけではなく、同性に対するものも含まれます。

職場とは
事業所の中に限らず、労働者が業務を遂行する場所を指し、取引先、飲食店、居客の自宅等であっても含まれます。

性的な言動とは
発言及び行動を指し、性的な発言とは、性的な事実関係を尋ねること、性的な噂を意図的に流布すること等を言います。性的な行動とは性的な関係を強要すること、不必要に身体や髪に触れること、わいせつな画像を配布すること等が、ありますが、これ以外にも意図的であって相手に伝わる程度に、つま先から顔まで何度も全身を見るような行為や必要以上に接近したり、匂いを嗅いだりする行為も身体接触の事実は、ありませんが性的な行動に該当します。

このようなことは、労働者の雇用は勿論のこと人権をも脅かす重大な問題として、職場から根絶させるべく、国はこのような事が起きない様に事業主に対して、雇用管理上講ずべき措置を定め、その実施を求めているところです。

◆パワーハラスメントとは
セクハラのように法令上の定義はありませんが、政府会議のワーキンググループ報告で示された内容はパワーハラスメントとは、同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内での優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為とされています。
また、セクハラの場合は、労働者の業務スキルに関係なくセクハラ行為は、即セクハラに該当しますが、パワハラは、飽くまでも業務をこなす正確性やスピードと大きく係っているという点でセクハラとは大きく異なります。

職場での優位性
パワーハラスメントという言葉は、上司から部下へのいじめ・嫌がらせをさして使われる場合が多いですが、先輩・後輩や同僚との間で起きる場合や、部下から上司に対して行われるものもあります。「職場内での優位性」には、「職務上の地位」に限らず、人間関係や専門知識、経験、社歴などの様々な優位性が含まれます。

業務の適正な範囲
業務上の必要な注意・指導を受けた者が不満に思っても、業務上の適正な範囲で行われている注意・指導である場合には、パワーハラスメントにはあたりません。パワーハラスメントは、上司の適正な指導を妨げるものではなく、各職場で、何が業務の適正な範囲で、何がそうでないのか、又、個人や携わっている仕事内容によって、それぞれに違うこともあり得る訳ですから、業務遂行上必要で適正な範囲は個別に判断されることになります。

パワハラの種類
・身体的な攻撃 こればいわゆる暴力です。
・精神的な攻撃 執拗に叱る、長時間叱る、みんなの前で罵倒する
・人間関係からの切り離し 仲間はずれ、無視
・過大な要求 とても一人ではこなしきれない量の仕事をさせる
・過小な要求 仕事は雑用ばかり 仕事を与えない
・個の侵害  人間性や存在自体を否定する言動

これらの行為が意図的に行われることでパワハラとなります。仮に意図的でない場合でも業務の適正な範囲を超えて行われた場合には、パワハラに該当します。

パワハラ事案は、やられた分をやり返していると言うように、複雑に理由が絡み合っていることが多いのも事実です。セクハラと違いパワハラは、行為者がなぜそのような行為に及んでいるのかが分かりづらいです。多くの場合、必ずいくつかの理由が存在していて理由によって業務上の指導から逸脱しているかどうか、適正の範囲な範囲を超えているかどうかは、個別判断という事になります。
パワハラは業務内容と密接にかかわっているものなので、複数名の社員の方の見解など参考にしながら判断していかざるを得ませんし、その方が正確性、客観性のある判断となるためです。セクハラ同様、雇用主には労働者が、快適に働けるよう職場環境を管理する職場環境配慮義務が有りますのでパワハラや苛めのない職場を提供・維持し、全ての労働者が安心して働けるようにする義務が課されています。

次回は、「解雇権濫用法理とは?」と題して、お送りいたします。

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この記事の筆者:デントプレス

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