【インタビュー】おおた歯科クリニック(東京都渋谷区)歯科医師 太田 禎典院長

「素晴らしいスタッフに支えられてきたから、今の自分や医院がある」物腰柔らかで常に相手を尊重する姿勢を貫く 太田 禎典院長に聞く!


◆プロフィールを教えてください。
明海大学歯学部を卒業後、都内の歯科クリニックに勤務し、
2002年に渋谷区の初台駅にて開業。
抜かない治療をかかげ、地元の患者さんから支持されています

◆おおた歯科クリニックのスタッフさんたちは定着が良いですよね。コミュニケーションなど、特に大事にしていることはありますか?
そうですね。大事にしていることといえば…私から先回りして「こうだ!」と決めつけたり、明確な答えを示さないようにして話すことでしょうか。分かり易く言えば、スタッフの『自主性』を尊重するというか…どんなことでもなるべく自分で答えに気付いてほしいと考えています。衛生士はみんな学校で3年間鍛えられているので、患者さんに対して「やってあげたい」という思いが強い人が多いように思います。一生懸命やる中で時には失敗することもあるでしょう。その時私が先に答えを言ったり「こうしなさい」と言ってしまっては、彼女たちはつまらないと思うんです。スタッフ一人ひとりに個性があって、特技や考え方、何に対して喜びを感じて何を不快に思うのかも違いますからね。また、当院では患者さんとスタッフとの距離感がとても近いので、「患者さんの方をしっかり向いているか」を特に注意して見ています。傍から見ていて気になった点は「今の人、帰り際に歯ブラシ買っていったよ。絶対、○○さんのすすめ方が良かったからだよ」とか、「あの時の表情、ちょっと納得してない感じだったね。気付いた?」など、患者さんからの反応を伝えて、自分自身で次に何をすれば良いか考えてもらうよう促すことが多いですね。

◆これまでの歯科医師人生の中で一番影響を受けた人物は誰ですか?
卒業して一番最初に勤めた医院の院長先生で、都内某法人の分院長です。私はその先生に思いきり出ばなをくじかれたんです。当時、私は「卒業したからもう何でもできるぞ」と、少しばかり気が大きくなっていました。若気の至りでしょうが、実際に仕事をしてみるとそんなことはなく、院長先生からはかなり厳しく指導されました。新人の中でも私は特に生意気な奴だったのではないかと思います(笑)その当時、地域の患者さんたちにとってその先生はまさに「アイドル」のような存在で、新しい患者さんが来れば「やあ、あなたは初めましてですね」というようなことをサラッと言える方でした。圧倒的な存在感があり、どんな患者さんでもファンにしてしまう魔法使いのようでした。治療の説明をする時の言葉選びや伝え方、物を拾う手つきまで、すべてが一流のホテルマンのように洗練されていました。どうしたらその先生のようになれるのか考え、一挙手一投足、とにかくすべてを真似しましたね。覚えている中で特に印象的な言葉は、「(治療した時は)お前が治しているんじゃなく、患者さんが治る手助けをしているんだ」、「(患者さんから)たかが歯医者と思われているんだからな」というものです。歯科医師として悩んだり迷ったりした時に支えになった言葉です。先生の領域には遠く及びませんが、その時の経験や学んだことは今の医院づくりに活かされています。新人時代に『大恩人』と呼べる方に出会えたことは、今思えば本当に幸運なことでしたね。

◆新人時代の経験は将来に大きな影響を与えるんですね。では、おおた歯科クリニックで新人衛生士の教育はどのように行っているのですか?
”気づき”を大切にしたいと思って行っています。教科書を使った教育ももちろん大切ですが、それよりも患者さんとふれあい、話し、処置をしていく中で、自らが気づいていくことが大切だと思います。また、ひとそれぞれですからこれと決まった指導方法はないと思いますので、その人の考え方ややり方、育ち方をみて、一人ひとりに合った伝え方を心がけています。現場で経験して学んでもらう方が身に着きやすいですし、その人なりのやりがいも見つけやすいと思います。ですから、実際の教育はスタッフに任せ、私は彼女たちが働きやすい環境を整えることを考えています。一番最初にもお話しした通り、患者さんから認められたことは、もちろん私も認めて褒め、もしもマイナスの反応があったならばそれをフィードバックする。今は褒めている時の方がずっと多い様な気がします。そういえばこの前、昨年入社した衛生士が、担当した70歳くらいのおばあちゃんから治療後にお礼としてそっと商品券を握らされたそうなんです(笑)それを私に誇らしげに報告してくれました。私も不慣れながらも一生懸命教育した衛生士だったので、自分事のように嬉しかったですね。同時に、肩の荷が下りたようなどこかほっとした気持ちにもなりました。本人の頑張りが認められたんだ、としみじみ実感したというか…強く言ってしまった時もあったけど、もう新人卒業だな、と。こうしてスタッフ主体の教育を行っていると、一人ひとりが自覚とやりがいをもって積極的に動いてくれます。スタッフ同士で「今のこうした方がもっと良かったんじゃない?」と指摘し合ったりもしていますし、お互いが刺激し合って医院をよりよいものにつくり上げてくれていると思います。私も内心、彼女たちに負けないように燃えていますよ(笑)

◆最後にこれから衛生士として活躍する皆さんへメッセージをお願いします。
職場選びをする時や医院見学に行く時など、きっかけは気軽な気持ちでも良いと思いますが、実際に働き始めたら衛生士の仕事の楽しさを実感してほしいです。当院も皆さんにとってそういう職場でありたいと思っています。実は私の母も衛生士で、『歯科衛生士』という職種ができたばかりの黎明期から働いていました。今はもう引退していますが、65歳を超えても現場に出ていた母を見て、衛生士というのは本当に一生ものの仕事だと感じていました。皆さんには毎日「今日も仕事行こう」と笑顔で言えるようになってほしいと思います。仕事が楽しければその人はキラキラ輝いています。後輩もそんな人にはすすんで相談したいと思うでしょう。50年経っても新鮮な気持ちで働けるように、ぜひ納得のいく職場を見つけてください。当院の見学も大歓迎です。一緒に医院を作っていってくれる仲間に会えるのを楽しみにしています!

******************
おおた歯科クリニック
〒151-0071
東京都渋谷区本町2-28-2-1F
TEL:03-3377-6789
HP:http://ohtasika.dentalmall.jp/
******************


この記事の筆者:デントプレス

デントプレス編集部です。歯科業界に従事する方の就職活動を応援するサイト「デントプレス」を運営しています。歯科のお仕事にまつわる有益な情報を提供していきます。